●レンブラント R (Rembrandt)
主に突然変異によってできたもの。
一重咲きの白色や黄色、赤色の地色に褐色、赤、桃色、
紫色の絞りが入る。

その昔、チューリップバブル真っ盛りのヨーロッパでは、珍しい「縞模様」の
チューリップが大変な高値で取引されていました。
現在広く愛されている単色の品種は、当時はあまり好まれなかったようです。
今では、チューリップ狂時代の「縞模様」品種のほとんどは、ウイルス病に
罹患したことが原因でそのような姿になっていたと考えられています。
当時の人々も「縞模様」が他のチューリップに比べて寿命が短いことには気が付いて
いたようですが…。

それにしても、ウイルスどころか細菌の存在さえ知られていなかった時代、育種家たちは
どうやって「縞模様」のチューリップを創り出していたのでしょうか。
何しろ「黒いチューリップを咲かせるために種子をインクに漬ける」レベルのことが
行われていた時代です。
熟練の職人たちが、その長い経験から編みだした秘法とは…
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<縞模様のチューリップを増やす、おそらく最も簡単な方法>
①まず「縞模様」の球根を、少量入手する。←ここが一番難しい。がんばって!
②庭に「縞模様」と「普通のチューリップ(安物)」を混植する。
③しばらく見守る。
④びっくり!いつの間にか「普通のチューリップ」が「縞模様」になっている。
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伝染ってる!伝染ってる!!!


今ではウイルス病の「縞模様」は、少なくとも日本国内では売っちゃダメということに
なっています。
一般に売られているのは、品種改良の結果生まれた健康な「レンブラント模様」ですので、
安心してお庭に植えられます。

レムズフェイバリット




















↑「レムズ・フェイバリット」
※レムズ・ファボリット、という発音が正しいのかもしれない。
白地に紫の縞が入ります。
もちろん病気ではありません。

主に「突然変異」によって生まれるというレンブラント模様。
春の植物園をまわっていると、こんな光景に出くわすこともあります。

レンブラントモドキ ジャクリーン




















↑ユリ咲き「ジャクリーン」の花壇のはずが…あれっ、後ろの子「縞模様」じゃない?
突然変異なのかウイルス病なのか、それとも業者のミスで他品種の球根が
紛れ込んでしまったのか、気になるところです。

その他気になる「縞模様もどき」たち↓

レンブラントモドキ ルーレット



















↑そういう品種なのだとしか思えないほど、見事なレンブラント模様になった
トライアンフ系「ルーレット」ちゃん。
実際に「そういう品種」が紛れ込んでしまっただけかも。そうだといいな。

レンブラントモドキ キコマチレンブラントモドキ ピンク














↑うっかりインクでも垂らしてしまったかのようなトライアンフ系「キコマチ」と
品種不明のピンクちゃん。
レンブラント模様と言うにはあっさりしすぎてますが、これはこれで愛嬌が
感じられます。…病気じゃないといいな。

レンブラントモドキ 紫




















↑紫のユリ咲き品種であったはずのもの。
…病気なのかな…?

上記の「縞模様もどき」たち、病気の可能性があるのが分かっていても、
配色が良くて花の形が崩れていなければ「魅力的」に感じます。
ウイルス病の存在を知らなかった当時の人たちが、「縞模様」に夢中になった
気持ちも分かりますね。

最後の紫のやつはダメですけどね。